これぞ中華通販の醍醐味ってやつですね。
3x7速のシフト・ブレーキレバーST-EF500が安かったので2セット買ったのですがどちらもクランプを締め付けていたら「パキッ!」と音がして割れてしまいました。ひとつだけならまあトルク管理が甘かったかなと思うところですが2つ目はレバーがしっかり固定されているか慎重に確認しながらやったので、まあ不良品かな、と。
破断面のアップです。
日本国内でシマノ製品を購入すると(少なくともエントリーグレードのコンポーネントは)たいてい「MALAYSIA」のシールが貼ってありますが、こちらは「CHINA」のシールが貼ってあります(AliExpressの商品写真にも写っています)。シマノはいちおう中国にも工場を持っているということなので中国製があってもおかしくないのですが。いやでもこんなやっすいパーツの偽物なんて作ってもモトが取れるんだろうか…。
ということでマレーシア製と比較してみました。
この先、写真は左側(または上)がマレーシア製、右側(または下)が中国製です。
ロゴとブレーキアジャストボルト。ロゴはマレーシア製のほうがくっきりしていて金属光沢があります。あとカバーの固定スクリューの十字穴がマレーシア製のほうが小さいです(みなさんだいたい1番のドライバーを使いますよね)。
クランプ固定ボルト、中国製はなんかテクトロっぽいというか。
シフトアジャスターの形状がちがいます。
リリースレバーはマレーシア製のほうが角のRが大きいです。
根本の樹脂部品、マレーシア製は角に面取りが施されています。
巻き上げレバー(でいいのかしら?)は形状も刻印も異なります。
巻き上げレバーの本体プレート端部の処理がちがっています。
ブレーキレバーはほとんど見分けがつかないのですがマレーシア製のほうが若干断面がピシっとしています。
レバー根本の本体形状が異なります。
製造年月を示す刻印が中国製にはありません。
内部機構。中国製は未塗装です。
とまあこのように違いは多岐に渡っていまして、もしこれが正規品だとすると、金型と元データは中国とは共有していなくて、2次元の図面を中国に送って金型から作らせたということになりまして、まあ製造ノウハウを知られたくないという動機も考えられなくもないのですが、それで品質が維持できていなかったら意味がないですよね。またこれだけ違っているとマイナーチェンジしたというのも考えづらい。
いやしかし左右で$10ぽっちの製品を複製するのにどんだけ気合入れてんだよ、というか、あるいは複製のノウハウがものすごいレベルで蓄積されていて十分にモトがとれるんですかね。中国おそるべし、です。