サイクルベースあさひ製の自転車「オフィスプレス(2007年モデル)」のオーバーホールをしていたら,BBにガタがあったので交換することにしました。
もともとついていたのはVP-BC73C。リンク先には何種類かモデルがありますが,「VP-BC73C for chain guard stay mount plate.」が該当するモデルです(車体にはチェーンガードステーがついています)。シェル幅は68mm,軸長は115mmでした。
最寄りのあさひでオフィスプレスのBBを探していることを伝えたところ,店員Hさんがなにやら自転車の仕様表だか部品構成一覧だかのようなものを見て補修部品がないか調べてくれたのですが,当然のごとく入手不可(仕様表に載っていなかったのかそれとも注文できない状態だったのかは不明)。ではシマノで互換品を探すかということで「チェーンケース対応品で115mmってないですか」と尋ねたところ,「オフィスプレスのBBですとEタイプというのものになりますね」というお返事。「あれ,Kじゃないんですか?」「Eですね」あまりにも自信たっぷりだったので,突っ込みそびれました。
※ちなみに本来,Kタイプが「チェーンケース対応品」で,Eタイプが「BBと共締めするタイプのディレイラーハンガー対応品」です。具体的に何が違うのかはのちほど。
できればシマノだけでなくタンゲのラインナップも含めてゆっくり調べてほしかったので,持参したVP-BC73Cを渡して「ではシマノやタンゲでシェル幅68mm軸長115mmのものがないか探しておいてもらえますか,ぴったりの長さがなかったらなるべく近いものにしてください,たとえばシマノなら113mmのがあったはずです」とお願いして店を出ました(あとから判明するのですが,そもそもこのような軸長指定じたいがナンセンスな指示でした)。
数日後,部品が入荷したとの連絡を受けてお店に行き,BBを受け取りました。が,帰ってからBBをよく見ると対応シェル幅73mm。どうやらVP-BC73Cという品番を見て誤解したようです。ちなみにVP-BC73Cには「68+1.5」というマーキングがあります。これをお店に伝えたところ,すぐに68mm品を注文します,無料で交換しますと言ってくださいました。
3度めの訪問。店長さんが対応してくださいました。念のため届いたBB(BB-UN26-Eの軸長113mm)を箱から出してVP-BC73Cと並べてみると,軸の突き出し量がずいぶんと違っていました(VP-BC73Cのほうがかなり右に突き出している)。ここではじめて,BBの軸というのは左右に同じ長さだけ突き出しているとは限らない,ということに気づいたのでした。お恥ずかしい話です。並べたBBを前に固まっていると,店長さんが「こちらはいかがでしょう」と在庫品のBB-UN26(軸長123mm)を持ってきてくださいました。右側突き出し量をVP-BC73Cと並べてみたところ,VP-BC73Cのほうが5mmほど短いことがわかったので,「117mmとか118mmとかありませんでしたっけ」「117.5mmがありますね」「じゃあそれでちょうどよくなりますかね」という流れに。
ちなみにEタイプと無印タイプの違いは,右側の,BBシェルからはみ出る,ちょっと太くなった部分が,Eタイプだと少し薄くなっていて,そのぶんすぐ内側(組み付けた状態でいうと左側)にねじを切っていない部分がありました。「そういえば今回Eタイプを注文してもらいましたけど,Kとどう違うんですか?」と店長さんに尋ねると「どうなんでしょう…」という頼りないお返事。まあでも現物をぱっと見た限りではいけそうだったので,BB-UN26-Eの117.5mmを注文します,という話に(しかしここでもまだ間違いを犯しています。シマノだったら右側突き出し量は軸長に比例して増えていく,つまり軸のオフセット量はシマノのBBだったらぜんぶ同じ,という前提で話をしているのです)。ありがたいことに軸長113mmはお店で引き取っていただけることになりました。
その後,帰宅してから「うーん,やっぱりKタイプも気になるなあ」ということであさひに電話し,店員Aさんに「さっき頼んだのと同じ軸長のKタイプも追加しておいてください」と依頼しました。
そして4回めのあさひ訪問。受け取ったのは「BB-UN26E YL117 68 B」と「BB-UN26K 117.5 68」の2つ。あれ,軸長表記がなんか違わない? と箱から出して並べると,BB-UN26-K 117.5のほうが突き出し量が5mmほど長いではありませんか。そう,YL117と117.5ではオフセット量が異なっているのです。店員Aさんはきっと「117も117.5も大して変わらないだろう」と思ったのでしょう(僕もそう思ってました)が,世の中そう甘くはなかったようです。ちなみに,Capreoの説明書によると,YL117でチェーンライン50mm,117.5でチェーンライン52.5+tmmとなっています。
なお,VP-BC73Cに近いのはBB-UN26E YL117のほうで,BBシェルからの突き出し量はVP-BC73Cよりも0.5mmほど短いだけでした。
ただ,やはりじっくり観察するとEタイプは使えなさそうです。右ワンの,ネジを切っていない部分が,VP-BC73Cですとネジの「谷」と同じ太さなのですが,BB-UN26-Eではネジの「山」よ同じ太さなので,ネジを切っていない部分が完全にシェル外に露出してしまうのです。Kタイプでも事情は同じなのですが,ネジを切っていない部分の幅がEタイプよりも薄くなっています(Eタイプだと3mmぐらい,Kタイプだと1.5mmぐらい)。ということで,「BB-UN26-K YL117」が正解ということになりそうです。
追記:Eタイプでもいけました。BBシェルのネジ山が,シェル端から何mmか奥まったところから始まっていたのと,ねじ山のない部分がネジの谷に相当する直径になっていたので。
ふたたび追記:こんなページがあった! もっと早く見つけてればなあ。
みたび追記:BB-UN26Kの117.5mm軸は右側のBBハンガー端からの突き出し量が27.5mmでした。
写真追加。
BB-UN26-K 117.5とBB-UN26-E YL117。
真ん中が純正のVP-BC73C。117.5のほうはクランク側の突き出し量が明らかに大きい。
左側のアダプターは同サイズに見えますがなぜかBB-UN26のアダプターは奥まで入りませんでした。
左のBB-UN26-E YL117と,右のVP-BC73C 115は突き出し量がほぼ同じです。BB-UN26-Eは,ディレイラー固定金具を挟む,ねじを切っていない部分の太さが,ねじの谷ではなく山と同じになっています。
EタイプとKタイプの比較。YL117の下に台を置いてあります。
Kタイプのほうが,ねじを切っていない部分の幅が小さいです。
アダプターは,部品表を見ると違う部品のようなのですが,写真を見るかぎり共通に見えます。