セレニカ~グラントリ (UCI/2.HC)

最難関となるクイーンステージはブロークンランド

ママチャリ用アルミ製フロントハブ

中古で買ったママチャリのフロントリムが盛大に歪んでいたので手組することにしました。せっかくなのでアルミ製ハブで。

f:id:kamenoi:20171108203520j:plain f:id:kamenoi:20171108203611j:plain Panasonicのビビ・ライト・U 2015年用として注文しました。1,130円でした。NWM770という品番がついていますが、おそらくJOYTECHの823Aというハブではないかと。重量(カタログ179g、実測175g)も近いですし。

ちなみにブリヂストンからも取れるのか試そうとしたら、あさひの店員さんに「ブリヂストンはけっこうチェックが厳しくてオーナーかどうかしつこく確認されるんですよね…」と言われたのでやめておきました。

f:id:kamenoi:20171108203142j:plain こちらはオリジナルの鉄ハブです。重量204g。錆びていたのか、銀色でペイントされています。

スポーク36本+ニップルで250gぐらい、中古で落札したリムが530gぐらいでしたのでホイール全体で960gぐらいでしょうか。まあこんなものです。

1万円のクロスバイクを買ってみた (8) 当たりのついたフロントハブを開けてみた

じゃん。

玉押しのベアリング痕が斜めになってますね。筋がうっすら消えかかってるところもあったりして,なるほど玉当たり調整が難しいわけです。
玉押しってたぶん切削で作るでしょうからなんとなくハブシェルのほうが歪んでるんじゃないかなあと。鉄シェルはたぶんプレスで作りますよね?

1万円のクロスバイクを買ってみた (7) 改造するならどこから

消耗品を交換するついでに

自転車の改造というと一にも二にも軽量化なんですが,なにせ3.4kg軽い自転車があと13,000円出せば買えてしまうので,割に合わないったらありません。
ただし消耗品に関しては,使い切ったついでにちょっと軽いものにしてみました,というのは十分にありです。
たとえばタイヤ。純正のカラータイヤはなんと700gぐらいあります。これは相当に重い部類に入ります。こいつをブリヂストンサイクルの最新モデルあたりに替えてやれば前後で400gぐらいは軽くなります。

さらにはチューブも190gありまして,これをBBBとかシュワルベあたりの軽量チューブに交換すれば前後で100gぐらいの軽量化にはなります。あとはサドルなんか破れたらロード用の軽いのに交換するのもいいでしょう。シートポストやハンドル,キックスタンドは錆がひどくなってきたらどれもアルミ製に交換してもいいですが,その前にハブがガタガタになりそうな。

坂をなんとかする

26インチでフロント44T×リア28Tというのは坂ではそれなりにしんどいです。もう一段軽いギアがほしいところ。
なのでスプロケットを34T入りのMF-TZ31(または後継のMF-TZ500)に交換するのは鉄板ですね。
ただどうせ7速も微妙に重くて下りでないと踏まなかったりするので,クランクの軽量化も兼ねて中古のアルミクランクに38〜40Tあたりのチェーンリングというのもアリではないかと。

1万円のクロスバイクを買ってみた (6) で結局この自転車は買いなの?

そうですね,あなたが

  • ママチャリよりましな自転車がほしくて
  • 身長が165cm以上あって
  • 坂のない平坦な地域に住んでいて
  • 予算がどうがんばっても1万円しかなくて
  • すぐに壊れても文句を言わない

というのであれば,この自転車は値段に見合っただけの価値を提供してくれるはずです。最後の項目については,「自分で,または身近な人が一通り自転車の整備をできるなら」と言ってもいいのですが,そのような人は間違いなくもっとまともな自転車を買うでしょう。

ママチャリよりはまし?

いい自転車は軽い自転車である,と言い切ってしまってもいいぐらいなのですが,この自転車は14.9kgあります。そのへんのママチャリのカゴとチェーンカバーと泥よけを取っ払えば実現できる程度の重さです。じゃあママチャリでいいってこと? というとこれが案外そうでもなくて,ちゃんとフレームが三角形をしているので踏めば踏んだぶんだけ進む感じはありますし,コーナリング時のハンドリングに安定感があります(これなんででしょうね。理屈がよくわかっていません。ヘッド角の問題?)。それにヘッドチューブが短くてハンドルが低いので前傾姿勢がとれて空気抵抗が減らせますし,Vブレーキはコントローラブルで絶対的な制動力も高いです。同じ重さのママチャリよりは間違いなく乗っていて楽しいです。

背が低いと乗れない?

ひとつ前の記事(id:kamenoi:20171024:p1)に書きましたのでそちらをごらんください。
この自転車に限らず,5万円未満のスポーツ自転車はだいたいワンサイズ展開か,あっても2サイズ,しかも大きい方は180cmぐらいでないと合わなかったりすることがほとんどです。160cm未満の方は,あきらめてママチャリに乗るか,ちゃんと幅広くサイズ展開しているクロスバイクを5万円出して買ってください。

坂はたいへん?

税抜き5万円のクロスバイク,GIANT ESCAPE R3の重量は10.7kgです。なのでESCAPE R3に乗っている人から見ると,Airbikeに乗っている人はいつも4kgの米袋(でもいいしウーロン茶のペットボトル2本でも)をくっつけていることになるわけです。そんな状態で坂を登るのはたいへんですよね?
いい自転車とは軽い自転車です。あと4万円払えば米袋を背負わなくていいのです。4万が無理でもあと1万3千円出せば11.5kgの自転車が買えます。坂道を毎日走る予定があるのでしたら悪いことは言いません,この自転車はやめておきましょう。

壊れるの?

壊れるでしょうね。回転部分に使われている部品の精度や耐久性が低いのと,組み立て時の締め付けがきつすぎるのでそう長くはもたないでしょう。ハンドルやシートポストなんかも錆びてきますしワイヤー類もステンレスではなくふつうの鉄製です。
じゃあ壊れない・錆びない部品を使っている自転車っていくらぐらいするのかというと,かろうじて3万ぐらいからはあるんじゃないかとは思いますが,安心できるのはやっぱり5万円クラスからになります。とてもそんなには出せないよ,でも2年ぐらいは乗りたいんだけど,ということでしたらもう一声がんばって自転車屋さんでしっかり調整してもらうか(一箇所で2~4千円ぐらいでしょうか),工具を買って(これも数千円かかります)自分でなんとかすることをおすすめします。壊れてから修理するよりは安上がりなはずです。
ただし,しっかり組み立てたとしても部品が安物なのはどうにもならないので,数年で寿命がきます。そこで新しい部品を買って交換するか,もう1台新車を買うか,悩ましい決断になるでしょうね。

でも1万円ですよ?

そうなんですよ。これだけ悪口を書いてますが,この自転車は確実に1万円ぶんの仕事はしてくれます。ひょっとしたらハズレの個体もあるのかもしれませんが,少なくとも自分の手元に届いた製品はそうです。
自転車乗りとしては,3万とか5万とか出せるならそのぶんだけ確実に楽しいよ,と言いたいところですが,その楽しさはやっぱり乗ってみないことにはわからないものですから,とりあえずこういうものを買ってみるというのもそう悪いことではないんじゃないかなあ,と思っております。それでちょっと遠出してみたりして,自転車ってけっこう気持ちいいかも,と思ってくれたらしめたものです。


1万円のクロスバイクを買ってみた (5) そこそこ乗ったのでレビュー


基本的にはよく走ります。平地であれば2速スタートでペダルの回転数を一定に保つようにしていればぽんぽんと6速まで上げていけます(7速は下り坂でないと使わないです)。もちろん重量なりのもっさり感はあるのですが,スポーツ走行の楽しみを阻害するほどではありません。ママチャリのあの「漕いでも漕いでもスピードが乗らない感じ」はまったくないです。

鉄製のフロントフォークは,ほどほどにしなって振動を緩和してくれます。太いタイヤとあいまって乗り心地はそれほど硬くはありません。ただハンドルグリップが薄いのでちょっと手が痛いです。傷んできたらもうちょっと厚みのあるものに交換されるといいでしょう。フレーム剛性は十分な印象で,ダウンチューブなんかもう少し細くてもいいんじゃないかなあという気がするのですが,ひょっとしたら100kgぐらいある人が乗るかもしれないと考えると難しいのでしょうね。

フレームは大柄で,上のジオメトリをきちんとしたメーカーのカタログと見比べていただければわかりますが,適正身長はだいたい175cmです。さらにBBドロップも30mmぐらいしかないので,身長167cmの自分ではまたぐとけっこうチューブが股間に近いです。160cmを切るとがっつり食い込むんじゃないかと思います。それにヘッドチューブが短くてステムが長いのでハンドルが低くて遠いです。自分はふだんロードバイクに乗っているのですが,この写真ぐらいのステム角度でちょうどいいといいますか十分にスポーティな姿勢に感じます。ということは自分より背が低い人,あるいは同じぐらいの身長でもスポーツ自転車に乗り慣れない人はステムを起こさないとしんどいはずです。そして背が低くてスポーツ自転車に乗り慣れない人はステムを起こした状態でもハンドルが遠く感じるのではないでしょうか。

車体が重いだけあって坂道はしんどいです。物理法則はごまかせません。ただこれはギヤ比の問題もあって,フロントが44Tなんですよね。40Tとか38Tぐらいを入れておけばくるくる回しながら気持ちよく登っていけるのではないかと。そのうち中古のクランクでも買おうかと思います。

タイヤは指定圧50PSIですが体重65kgの自分だと60PSIぐらいのほうが気持ちよく走れます。乗り心地とトレードオフですし好みもいろいろだとは思いますが。

ブレーキはしっかり効きますが,フロントをハードにかけるとフォークに振動が発生します。操作に支障が出るほどではないですが,ちょっと安っぽい感じではあります。レバーの引きが重い件については,スプリング固定穴をいちばん上から真ん中に変更すれば解消されますのでお試しください。

あとは変速がいまいちといいますか,調整してバッチリだぜ! と思っても次の日には微妙に入りが悪かったりします。ディレイラーが安物だからなのか,ワイヤーアウターがブレーキ用だからなのか,フルアウターがいけないのか,ちょっとなんとも言いがたいところです。ただまあ運用といいますかワイヤーの引きを手首で微妙に調整するようにしてやれば大丈夫というレベルではあるので,慣れてくれば気にならなくなるのではないかと。


1万円のクロスバイクを買ってみた (4) BBの玉当たり調整とか

回転の渋かったBBの玉当たり調整をしておきます。


クランク固定ボルトに目印のペイントがあります。これはなにげにうれしいですね。緩んでいたらひと目でわかりますし,再組付時の目安にもなります。


嵌合部はちゃんとグリスアップされていました。


ここのグリスはさすがにもうちょっとあってもいいかなあと思い,ざっと拭いてからリチウムグリスを入れておきました。BBもそうですけどハブも玉受けが塗装されているのですぐにグリスが汚れるんですよね。ちょっと乗って塗装がはげたら早めにグリスを入れ替えるのもおすすめです。


いいですねー,買ったばっかりの自転車のシェル内部はこんなにきれいです。でも錆びるといやなので薄くグリスを塗っておきましょう。

軸長は125mmですが突き出し長は右のほうが2mmばかり長いです。


ちなみにVブレーキはけっこう削りかすが出るので15kmぐらい走るとこんなふうにタイヤのサイドが汚れます。この黒いのは影に見えますが汚れです。

1万円のクロスバイクを買ってみた (3) 写真撮影とジオメトリチェック



まずは全体写真です。身長167cmでサドルの高さがこれぐらいです。

BBはカップ&コーン式,ママチャリと同じタイプです。緩んでいないか定期的にチェックしてやれば安物のカートリッジベアリング式よりも長持ちすると思います。

クランク長は165mmです。

チェーンラインはフロント51.5mmリア46mmということでちょうどギア1枚ぶんぐらいずれています。機会があれば是正したいところです。

よくママチャリとかにもついてるRD-TY21,公式には7速非対応ですが,よっぽどスプロケットが左右に偏っていなければ使えます。

ところでこのシフトケーブル,なんか変じゃないですか?

アウターがブレーキケーブルと同じなような…。

Vブレーキはピボット部が樹脂製の安物ですがふつうに効きます。


ただ,スプリング端をフレームに差し込む穴,通常は3つあるうちの真ん中を使うのですが,この自転車では前後ともいちばん上の穴が使われています。そのせいでブレーキレバーの引きが重いです。なんでこうしてあるのかなあと考えてみたのですが,たぶん組立時にブレーキ本体の調整ボルトをさわりたくない(さわらせたくない)のではないでしょうか。この状態だと,ブレーキ本体がそれなりに左右のバランスよくできていれば組み付けるだけでシュータッチが防げるのですが,真面目に真ん中の穴に入れると,スプリングのテンションゼロのところから調整ボルトでテンションをかけていかないといけないので,工数がかかってしまいますし作業者が慣れていないと調整がうまくいきません。

レバーもブラケットが樹脂製ですが問題なく使えます。こうしてみるとつくづくVブレーキというのはよくできているなあと感心します。

グリップは中国JUSTEK社製。JUSTEKはSelle Royalの子会社になったらしいです。

可変式ステムは,はじめてスポーツ自転車に乗る人にとっては強い味方だと思います。

シートポストクランプはクイック式。

ペダルはHF-839という型番でした。回転はスムーズです。


ホイールは前後とも逆JIS組です。まあ気にするこっちゃないです。



タイヤはママチャリ規格の26インチ,幅1-3/8インチです。指定圧50PSI,ブランドロゴは「WD」と読めます。このロゴ,以前にも別の通販自転車についているのを見たことがありますがなんという会社なのかわかりません。米式バルブなので正確に内圧を測定できます。

キックスタンドは鉄製。スタンドをかけると自動的にロックがかかるタイプです。

エンドに紐のようなものが巻き付いた状態で塗装されています。しばらくそっとしておきましょう。

ジオメトリはこんな感じです。トップチューブ56cm,シートチューブ48cm,ヘッドチューブ12.5cm,シート角74°,ヘッド角72°,BBドロップ3cm,ホイールベース106cm,リアセンター45cmです。正直165cm未満の人は厳しい,というかトップチューブが股間に食い込むんじゃないですかね。