セレニカ~グラントリ (UCI/2.HC)

最難関となるクイーンステージはブロークンランド

『ローグ・ワン』傑作とは言いがたく

スター・ウォーズ映画としては十分に及第点かと思います。でも映画館を出て「今日は大満足!」という気分にななれませんでした。

いちばんの問題,というか期待はずれだった点。最初の回想シーンが終わって収容所らしきところにいる主人公を見た時点で「あーこれは幼少期にエライ目にあって生き延びるのに必死でやさぐれた主人公が理想に命をかける人たちに感化されてついには命がけの使命に赴く,みたいな話なのかな」と思ったんですね。でも実際は「どうエライ目にあったのか」は省かれ(なんかソウ・ゲレラに会ったときに私を見捨てたわねこのクソボケがとか文句を言ってましたがそこは映画で描写しなきゃだめだろう! と),父親に対するスタンスも説明不足だし(デススターを作ったのが父親だと聞いても「え! そうやったん!?」ぐらいの反応しかなかったですよね?),かと思うとお父ちゃんといまわのきわにちょこっと話しただけで熱血漢になって「反乱軍は希望でできてるのよ!」とか叫びだすし,うーんなんじゃこりゃ,と。
あと「カーゴパイロット」ボーディの扱いもひどかった。完全に雑魚キャラ扱いだったので廃人になってポイかと思いきやしっかり回復して一行に加わってるし,だったらもっと前半からどういうキャラクターなのか描いておけよ! と思いました。キャシアンはわりとよかったです。いままで見たことのないタイプだし首尾一貫していた。K-2SOもお洒落な会話がほぼ皆無なこの映画で一人でがんばるムードメーカーになってましたね。
とかとか,いろいろ問題がありつつもストーリーラインに大きなどんでん返しがあったり,悪役がちょう悪辣だったりすれば「いいもん観たわー」という気になったのですがそれもなく。クレニックにはゲイレンの奥さんが死んだときに一言「やはり幽霊だったようで」とかそういう嫌味を言ったりラストシーンで絶望的なギミックを起動したりしてほしかった!

それにしてもターキン提督がそっくり過ぎて震えた。