セレニカ~グラントリ (UCI/2.HC)

最難関となるクイーンステージはブロークンランド

自転車と歩行者の分離っぽいなにか(滋賀県)

歩道を自転車と歩行者に分けて通行できるようしたモデル指定を受けている大津、草津両市で行き交う市民らにアンケートしたところ、回答した55%が「安全になった」と答えた。国土交通省滋賀国道事務所(大津市)は、「一定の広さがある歩道は今後、自転車と歩行者が分離して使えるよう整備する」と説明している。

http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20110302/CK2011030202000108.html

低い回答率

詳細は記者発表 / 滋賀国道事務所 -湖国の道-にあります。実験は2か所で行われていますが,中日新聞の記事にもありますようにアンケートの回収率は25.6%と29.4%。調査の実施時間帯にもよるのでしょうが(通勤・通学で急いでいたら答えないでしょうし),回答しなかった集団の相当数が「たいしてかわらない」と思っているのでは?

グラフ合ってますか?

草津市では「自転車/歩行者とのすれ違いが安全になりましたか」の質問に対する回答内容の割合が,自転車利用者と歩行者でまったく同じですし,大津市に至ってはすべての質問に対する回答内容の割合が自転車利用者と歩行者でこれまたまったく同じです。どういう集計のしかたをしたのでしょう。

効果を認めている人は5〜6割

記事にも資料にも否定的なニュアンスはありませんが,この数字は喜ぶようなものなのでしょうか。だいたい「安全になりましたか」という質問があいまいですよね。相対的なものなのか絶対的なものなのか。「以前よりも安全ですか」「対策はこれで十分ですか」の2項目に分けたほうがよかったのでは。

そもそも

利用者の「安全になった」というコメントにどれだけ意味があるのかという話もあります。事故を起こした人たちのほとんどは「自分はじゅうぶん安全な運転をしている」と思っていたはずです。アンケートもけっこうですが,もっと広い区間で実験して,実際の事故発生件数を比較してみたいところではあります。といってもあまり大規模だと効果が出なかったときに税金の無駄遣いと言われるだけですから難しいところですね。

左側通行とか

「整備後」の写真の3枚中2枚で自転車が右側通行だとか,自転車走行空間を歩いている歩行者がばっちり写ってるとか,担当者はちょっと正直すぎるんじゃないでしょうか。

それでもなにもしないよりはマシ

なのかなあ,と。通行区分を守ろうという気のある人たちも(回答者のなかでは,ですが)たくさんいますし。でもやっぱり,自転車同士ですれ違うのを怖がった人が歩道にはみだしたり,歩行者がふらっと自転車走行空間に踏み込んだりというのを防ぐためにも,自転車の左側通行の徹底と,歩道と自転車走行空間の強力な分離(そう簡単に行き来できないような障壁の設置)が必要なのではないでしょうか。