セレニカ~グラントリ (UCI/2.HC)

最難関となるクイーンステージはブロークンランド

Turn8 ラグナセカの青い空

FASTERの続編が作られたという話は知っていたがいつ公開されるのか見当もつかなかった。が,偶然にもMotoGPの実況スレで今日から公開であることを知った。名古屋では23〜29の1週間だけの上映。しかも上映館は名古屋シネマテークMotoGP知名度の低さをうかがわせる。

シネマテークは10年ぶりだったのであっさりと入り口を見過ごす。いやこれは映画館には見えないって。しかし定員40席のところに補助席の座椅子(wまで並らべてほぼ満員だった。ちょっとうれしい。客層は若い男性がほとんど。まあそうだよな。

原題は「THE DOCTOR, THE TORNADO & THE KENTUCKY KID」となっているのだが,ロッシの扱いは主人公というよりはその前に立ちふさがる「超天才のカリスマライダー」といった趣で,いっそ「THE TORNADO, THE KENTUCKY KID & THE HOPPER」のほうがよかったんじゃないかと。

前作がシーズン全体とMotoGPという世界に焦点を当てていたのに対し,今回は3人のアメリカ人ライダーとチームスタッフ,それに家族が中心で,ライダーのキャリアを振り返りながらラグナセカでのレースウィークを丹念に追うという構成。正直かなり楽しめた。ヘイデンに兄弟がいるなんて知らなかった。あとニッキーそっくりな女の人もいたんだけどあれは妹さんかしら。レースを振り返りながら「あのときはこんなことを考えていた」というのをライダーが語るというのはたいへん興味深かった。年に1度くらいこういう企画をやってくれるといいなあと思った。あと戦っているのはライダーだけではないのだよ,というのもふだん頭ではわかっていてもなかなか実感できないところなのだが,この映画ではけっこう身にしみた。ヘイデン家の雨漏りのエピソードとかちょっと涙が出た。

字幕はちょっと難ありで,え,そこを略しちゃうのとか明らかな間違いなんかもあった(「1速で110km/hしか出ないとか,ロッシまでの差が0.5秒だとか(a second and half))。監修の宮城さんはあんまり英語は得意ではないのだろう。

邦題はよく考えたよなあ,と思う。原題に使われているニックネームって日本ではぜんぜんはやってないものね。日テレは王者とか言ってないでThe Doctorぐらい広めろよ。ラグナセカなら,グランツーリスモとかやってる人はすぐわかるだろうし,バリ伝読んだ人も「そういえば…」くらいには引っかかるキーワードだろう。

日テレといえば日本GPのMotoGP決勝が生放送じゃないのが悲しい。巨人練習中「直生」とかそんなどーでもよさげな番組に負けるとは。二輪の人気がないには文化だとあきらめるしかないのかしら。…とか思ってたら地上波放送かよ! G+のサイトに書いとけよ!(嬉しくて切れ気味)

そういえばエンディング中に彼女だか奥さんだかに声高に薀蓄を語っているおっさんがいて鬱陶しかった。そういうのは家に帰ってからやれよなまったく。